一人暮らしをしているが家族との連絡はとれている、一人暮らしをしている家族がいるが連絡は頻繁にとっている、それでも「孤独死」に関するニュースは気になります。
頻繁に連絡をとっているつもりでも、「気づいたら何日も声をきいていない」という経験はありませんか。
「突発的な体調不良やけがなどで動けなくなってしまう」、「外出したまま行き先がわからなくなってしまう」など、緊急事態はいつどこで起きるかわかりません。そんなときでも離れて暮らす家族が、少しでも早く異常に気付くことができれば、重大な結果を避けることができます。
大切なのは「日々の安否確認」なのです。そんなときに活用したいのが、高齢者の「見守りサービス」です。一人暮らしの高齢者の親はもちろん、高齢で夫婦暮らしの両親、認知症患者、障害や病気を持つ人のご家族にとっても心強いサービスです。
「見守りサービス」とは、遠くに住む家族の代わりに高齢者の安否を確認し、サポートしてくれるサービスです。自治体と提携した事業者(生協・水道・ガス・電気・宅配業者等)、民間のセキュリティ会社、郵便局などが主に提供しています。
定期訪問型
専任スタッフがご自宅を定期的に訪問し、安否確認をするサービスです。月に1回30分程度ご自宅を訪問して、健康状態や訪問時に受けた相談などを記録し、家族に報告が届くという仕組みになっています。
代表的なのは郵便局の「みまもり訪問サービス」ですが、電気・水道・宅配業者等も類似のサービスを提供している場合があります。
◇メリット
直接自宅を訪問してくれることは、一人暮らしの高齢者にとっては会話の機会になるので、孤独感の解消や安心感につながります。
◆デメリット
月1回程度の訪問なので、日常的な見守りを求める人や、急な容体変化をいち早く確認したいという人には向いていません。また、医療や看護の専門スタッフではないので、ちょっとした変化に気付きにくいというデメリットもあります。ご本人が他人の訪問を嫌がる場合にも、導入しにくいサービスです。
センサー型
自宅(トイレや浴室など部屋ごと)に設置されたセンサー機器の感知によって、安否確認をするサービスです。近年はポットなどの家電製品や、ガス・照明・人体で検知するタイプのセンサー機器も登場しています。ご本人の活動量や睡眠、トイレ、外出などの生活リズムを計測した情報をもとに、異常を検知した場合、家族に警報アラームやメールが送信されます。
◇メリット
24時間365日、センサーが高齢者の生活を見守ってくれるので、異変の早期発見がしやすいのがメリットです。契約によっては、緊急時に警備員の駆けつけを利用できるオプションをつけることも可能です。
センサー型見守りサービスを提供する事業は家電メーカー、セキュリティ会社、ガス会社など幅広く、多くの民間企業から自分に合ったものを選びやすいのも、魅力の1つでしょう。
◆デメリット
センサー型の見守りサービスは、契約料金や月額利用料、機器の代金等で出費が大きいのがデメリットです。おおよその相場として初回契約は1万5千円程度、月額利用料は3千円程度、機器代は5~8万円程度かかります。
カメラ型
高齢者の自宅にカメラを設置することで、24時間365日、様子を目で確認できる見守りサービスです。リアルタイムでの中継はもちろん、録画機能によって、高齢者の異変を家族が視認しやすくなっています。
◇メリット
主流のカメラは簡易タイプのものが多く、大がかりな設置工事がいらないため、センサー型と比べれば比較的経費は安く済みます。また、スマートフォンやPCで手軽に確認できるのもメリットといえるでしょう。
なお、出費はかさみますが、セキュリティ会社のカメラ見守りサービスを契約すると、深夜や家族の仕事中に高齢者に異変があった時、警備員が駆けつけるオプションをつけることも可能です。
◆デメリット
24時間監視されることを嫌う高齢者にとっては、導入が難しいのも事実です。ただ現在はプライバシーに配慮し、警報が出たときだけ室内の映像が見られるように工夫された機器もあります。
警備駆けつけ型
ご本人が緊急時にボタンを押すことで、警備員が駆けつけてくれるサービスです。セキュリティ会社が提供していることが多い見守りサービスで、具合が悪い時にボタンを押せば、ヘルスケアの専門スタッフの健康相談を受けられる場合もあります。
◇メリット
基本的には24時間対応サービスなので、深夜に高齢者に急な容体変化が起きてもすぐ気付けるのがメリットです。状態によっては救急外来につなぎ、迅速な医療ケアを実施することができます。
◆デメリット
業者によりますが、機器代は約4~5万円、月額利用料は2~3千円程度かかるため、費用負担が大きいのはデメリットです。また、ご本人がボタンを押せずに急に倒れてしまった場合、セキュリティ会社に通知が届かないのもネックの1つです。
宅配型
食事や郵便の配達時に、高齢者の健康状態や安否確認ができる見守りサービスです。食事の宅配業者が主にサービスを展開していますが、他のサービスと受けられるエリアも限定的です。
◇メリット
食事の提供があるのが最大のメリットでしょう。定期訪問型に比べると訪問回数も多く、担当の配達員が高齢者の健康状態を確認してくれます。その際に食事の内容について、高齢者の要望を聞くこともできます。
また、センサー型、カメラ型など専門的な見守りサービスと比べると、宅配型見守りサービスの費用相場は安めです(相場は食事代込みで、月2~3万円)。
◆デメリット
毎日の食事の配達時間は決まっており、1人の配達員が複数の高齢者宅を担当することから、緊急時に迅速な対応をするのは難しいです。また、あくまで宅配サービスの延長なので、介護や栄養相談など専門的なケアまで任せたい場合は、物足りない側面もあります。
アプリ型
近年利便性から注目を集めているのが、アプリ型の見守りサービスです。高齢者と見守る側の家族の双方がアプリをインストールし、使用することによって、毎日簡単な意思疎通をはかることができます。
◇メリット
無料のものがあるので出費は大分抑えられます。また、スマートフォンの操作に不慣れな方でも、該当アプリのほとんどは、ボタンをタップするだけで簡単なメッセージを入力できるしくみで、丁寧な支援があれば使いこなせる方も多いと思われます。
◆デメリット
高齢者がスマートフォンの操作に抵抗があり、使用が困難な場合は、導入することが難しいでしょう。
なお、多くの自治体で見守りサービスを実施しているので、導入を検討している人は高齢者がお住いの市区町村のページを調べてみると良いでしょう。
中野区の緊急通報システム
対象となる方は
日常生活において常時見守りを必要とする65歳以上の方で、次のいずれかに該当する方
(1)ひとり暮らしの方
(2)65歳以上の方だけでお暮らしの方
(3)家族とは同居しているが日中は独居状態となる方
18歳以上のひとり暮らし重度身体障害者(1・2級)(重度障害者のみ世帯を含む)
救助のしくみは
対象者のお宅に本体機器、見守りセンサー、火災センサーを設置し、無線発報ペンダントの機器を貸与し、以下3点の場合、電話回線を通じて民間の受信センターへ自動的に通報されます。
(1)利用者が首に下げたペンダントのボタンを押した場合
(2)感知器(見守りセンサー)が14時間人の動きを感知しない場合
(3)火災センサーが煙を感知した場合
通報を受けた受信センターは利用者に確認の電話をします。
利用者が電話にでられないときは、すぐに、救急車等の出動を要請するとともに、民間事業者が利用者宅に急行します。
ご本人の疾病などの状況や世帯の課税状況によって、月額300円~1,300円の自己負担金がかかります。
- 有線の電話回線が引かれている必要があります。(携帯電話では利用ができません。)
- 持ち家でない場合、機器設置に関して家主の承諾が必要です。
- 緊急時のために自宅の鍵を業者に預ける必要があります。
- 緊急時の連絡先を登録する必要があります。
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